しろみつか(白蜜香)~完熟すると香る“パイナップル”。香りと甘さで魅せる白いちご


「白蜜香(しろみつか)」品種の起源と名前の由来
「白蜜香(しろみつか)」は、サントリーフラワーズが開発した白いちご品種で、正式な登録品種名は「MYAG-BAA(品種登録出願中)」、販売名が「白蜜香」です。
その名の通り、白い果皮・蜜のような甘さ・華やかな香りを併せ持ち、見た目も香りも特徴的ないちごとして、贈答用や高級スイーツ素材として注目されています。
別名「パインベリー」とも呼ばれるように、完熟すると“パイナップルのような香り”がすることが大きな特長のひとつです。
「白蜜香(しろみつか)」特徴(香り・味・見た目)
白蜜香は、一般的ないちごとは一線を画す、華やかな香りと淡く上品な果実色、すっきりとした甘さが魅力の品種です。
- 果皮・果肉ともに白色〜クリーム色で、ほぼ赤くならない(ピンクにさえならない個体も多い)
- 完熟時、種が赤く色づき、果皮がやや張ることで食べごろを判断
- 果肉はやや硬めで、シャリッとした歯ごたえがあり、梨や青リンゴのような食感
- 味わいはすっきりとした甘さが中心で、酸味はほとんど感じない
- 香りは南国フルーツのように強く、パイナップルやライチ、青リンゴに例えられるほど芳香性が高い
糖度自体は極端に高くはないものの、酸味が少ないため甘さが引き立ち、香りと食感が一体となった「香りで楽しむいちご」としての個性が際立ちます。
栽培の難しさと希少性
白蜜香は、一般的な赤いちごと比べて“完熟サイン”がわかりにくいという難点があります。
- 果皮が色づかないため、「赤くなったら収穫」とはいかず、種の色や果皮の張り、香りで判断
- ピンクにすらならない個体もあり、見極めには高度な経験が求められる
- 栽培中も、日光を全体に均等に当てるため、果房を回転させるなどの管理が必要
さらに、果実サイズがやや小ぶり(20g以下)になる傾向があるため、量販向けの品種ではなく、丁寧な手作業・直売向きの希少な栽培品種といえます。
トリニティファームでの取り組み
トリニティファームでは、「白蜜香」を特別ないちごとして、ごく限られたハウス内で丁寧に栽培しています。
- 香りがしっかり立つ“完熟の瞬間”を逃さぬよう、香り・果皮の張り・種の色を毎日観察
- 他品種とは管理区画を分け、白さを保つために果房の位置・光の当たり方にも配慮
- 収穫後は、香りが飛ばぬようすぐに冷却保存し、直売所や予約販売を中心に出荷
「これ、ほんとうにいちご?」と驚かれることもしばしば。
希少品種であることを超え、“香りを贈る果実”として育てています。
収穫時期・保存・おすすめの食べ方
収穫時期:1月〜4月(年によっては5月初旬まで)
保存方法:乾燥を避け、冷蔵庫の野菜室で2〜3日以内に。香りの変化も楽しめます
おすすめの食べ方:
- まずはそのまま一粒で。パイナップル様の香りが鼻に抜け、甘さが広がる
- 白さと香りを活かして、パフェ・タルト・フルーツサンドなどに
- チーズやヨーグルト、ミントとの相性も良く、前菜・サラダにも◎
- 見た目も映えるため、贈答用・ギフトとしても好評
まとめ 〜果実の“白”、香りの“蜜”〜
白蜜香は、果皮の白さ、甘い香り、すっきりした味わいという、視覚・嗅覚・味覚を刺激する個性派いちごです。
「甘酸っぱい」ではなく「甘くて香る」
「赤くならない」ではなく「赤くならずに美しい」
そんな独特の魅力を持つ白蜜香は、トリニティファームにとっても特別な存在。
贈り物に、大切な人との時間に――
ふと笑顔がこぼれるような、一粒の香り体験をぜひ。